富山県の山城・城跡

阿尾城(あおじょう)

富山県氷見市阿尾(地図

 東と南は断崖絶壁で海に囲まれ、陸に接する西側も急斜面の要害である。
 城跡は大きく伝本丸、伝二の丸、伝三の丸に分けられるが、廃城後の耕作地利用や神社により破壊は大きい模様。本丸には櫓があったと伝えられ、現在は灯台・展望台が建てられている。また、城の北側には城下町が形成され、一部発掘調査されている。
 築城時期については不明だが、この近辺は八代保と呼ばれる中世の荘園で、八代(屋代)氏により築かれたと考えられる。その後、天正年間には九州出自の菊池氏が守っていた。上杉謙信没後は織田信長に従い、城主に「菊池右衛門入道、十六郎父子」の名前がある。
 その後、佐々成政に属するものの、佐々が加賀の前田利家と敵対するようになると、密かに離反し前田氏に通じた。
 天正13年6月、高岡の守山城の神保氏五千の兵によって攻められるが、苦戦するものの村井長頼の活躍により撃退している。(撮影2014年2月)

>> 阿尾城のストリートビュー(本丸より)
>> 阿尾城訪問動画(Youtube)

もえ
堀切もえ

見るからに難攻の城。崩落も多く、伝本丸は危険な為しばらく立ち入り禁止でしたが、2023年春より入れるようになりました。
ともかく遊歩道から外れてはダメです。海に真っ逆さまです。死にます。城内散策もいいですが、海岸に出て切り立った崖も是非眺めて欲しい。


阿尾城 航空写真(Google map

阿尾城 縄張り図
阿尾城城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)

阿尾城遠景
阿尾城遠景
なにやら巨大空母のような姿をしています。

崖
東・南側は絶壁で天然の要害。こんなの攻め登れません。

阿尾城 入口
北側の入口。案内板とトイレ、駐車スペースがあります。

阿尾城 案内板
入口の公園案内板

阿尾城 石段
白峰社へ登る石段

阿尾城 伝三の丸
伝三の丸跡(城郭図B)
奥の一段高い郭には、榊葉乎布神社が建っています。

伝三の丸
榊葉乎布神社から見下ろす伝三の丸

土塁跡?
榊葉乎布神社の脇は土塁状になっています(城郭図A)
城の西側を守る重要な郭だったのでしょう。

阿尾城伝二の丸
伝二の丸跡(城郭図C)

案内板
伝二の丸にある案内掲示板。

伝二の丸
伝二の丸跡を見下ろします。

張り出し 横矢
城郭図Dの張り出し部分。
石段に対して横矢を掛けており、原型を止めていると佐伯氏は指摘。

阿尾城 横矢
城郭図Dの張り出し部分。
この下の城郭図Eでは、発掘により堀跡が見つかっているそうです。

阿尾城
城郭図Fの郭。白峰社が建っています。

阿尾城 土塁
ここにはわずかに土塁が残っています。

石段
白峰社裏の石段を登っていきましょう。

郭跡
城郭図Gの郭。かつて社があったようです。

白峰社跡
城内最高所(城郭図H)
元々白峰社はここにありました。

土橋
本丸へは、狭い土橋状の道を渡って行きます。
柵から出ないよう注意!

案内板
なにせ両側は急斜面、というか片側絶壁。危険!

阿尾城 伝本丸へ
本丸の手前(城郭図L)
南側に数段の郭を設けています。

阿尾城 伝本丸
伝本丸跡

本丸
やや削平は甘く、中央で二段に分かれています。

展望台
展望台があります。
柵からは絶対に出ないようにしましょう!

阿尾城本丸
展望台から見た本丸

眺め
展望台からは氷見市街が一望できます。