富山県の山城・城跡

一夜城(いちやじょう:中田城)

富山県氷見市中田(地図

 天正10年(1582)本能寺の変の後、能登奪回を図る上杉勢が石動山天平寺の衆徒と合流する為、越後から舟でこの地に上陸して一泊陣地を設け、石動山に向かったことから「一夜城」の名前を持つ。その時の上杉勢とは能登畠山氏旧臣の温井景降・三宅長盛であった。
 城跡は陣城らしく削平地だけから成り、土塁や堀切などの防御は見られない。ただ、削平がしっかりしており切岸も急で長期間使われた感があります。一夜城と呼ぶなら、むしろ姿の城の方じゃないかと。
 城跡へは国道の駐在所横や妙願寺、道神社から道があるので登りやすく、城域の南に接するように墓地があります。ただ、南側の薮が相当ひどく突入には気合いがいりますのでご注意を。 (撮影2015年3月)

一夜城 遠景
一夜城 遠景

一夜城 城郭図
一夜城 城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)

道神社
道神社の脇から登る車道があります。
城の南に接する墓地まで登れますよ。

登り口
妙願寺の脇からも道があります。

南側墓地
城の南側を墓地用の山道が通っています(城郭図A)

一夜城 入口
入口が分かりにくいですが、城郭図Bにある墓からDに向かう山道があります。
ここからが一番、薮に悩まされずに突入できます。

西側 曲輪
城郭図Dの郭。畑として使用した跡があります。
西端(写真奥)が少し高く櫓台のようにしてあります。

北側斜面
Dから見た北側の斜面。ここをよじ上れば主郭へ入れます。

削平地
城郭図Eの部分にも小さな削平地があります。

墓地
城郭図Cの墓。最初はこの墓の裏から突入しました。
ですが矢竹が群生しており、大変な目にあいます。

一夜城 主郭
主郭(城郭図 F)の西方向
Googlemapビュー

一夜城 主郭東側
主郭の東方向。
削平はかなりしっかりしています。

一夜城 切岸
主郭の南側切岸。
かなり急で、よじのぼるの大変です。

南側郭
城郭図Gの削平地

一夜城 東側曲輪
城郭図Hの郭へ突入。薮がひどい!

櫓台
城郭図Hの郭を東側から見ます。
崩れていますがしっかりした切岸で、東を守る櫓台のよう。

薮
なにせ主郭の南側がひどい薮です……。

高岡城 石垣石切丁場
ちなみに、沖合の虻が島は高岡城石垣の石切丁場として有名。
この浜辺に転がっているのも、石垣として使われる予定だったもの?

高岡城 石垣
くさびを打ち込んだ矢穴の跡が残っていますしね……