富山県上市町郷柿沢(地図)
土肥氏の館跡。戦国末期に帰農した土肥氏が、松倉城主の子孫を招いて建てられた西養寺がある。
寺の周囲を土塁と水堀が囲む方形の館跡で、ここまで完在している例は貴重な史跡。本来の虎口は現在の寺門ではなく、南側の二つの虎口跡と思われる。わずかに食い違いにして横矢をかける工夫を見られる。
(撮影2012年4月)
西養寺正面。山門横に案内版があります。
「中世豪族屋敷」の案内版。
西側の水堀。かなりの広さを持ちます。
南西に位置する櫓台
南西の櫓台
南西の虎口跡。
土塁がわずかに食い違っており、横矢を掛けています。
南側の土塁。奥が東方向。
南東の虎口跡
南東の虎口を城外側から見ます。
虎口から東方向を見ます。土塁の前には犬走りを設けています。
また堀を食い違えており、導線を折り曲げています。
また、南東隅で土塁を張り出させています。
南側の堀跡。湿地になっています。
北東側の土塁跡。
北東隅は幅があるので櫓台だったのでは。
北側の土塁と堀跡
北側の土塁上は墓地になっています。
東側の土塁と堀跡。
犬走りを設けています。
正門向かいの真敬寺。
古い図面ではここに馬出曲輪のようなものがあるそうですが、詳細は不明。
郷柿沢館城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)