
富山県富山市大山町西小俣(地図)
伝承は特にないが、『大山町誌』によると永正13年に長尾為景が太田保に侵攻した際、上野彦次郎勝重が立てこもって戦った文珠寺山のことではないかと推測している。
尾根筋の北側を堀切、竪堀で導線を屈折させる縄張りの工夫が見られる。更に主郭の北側で立派な堀切を設けて守りを固めている。
主郭は削平されているが、かなり自然地形を残すので臨時の城だったのだろう。南側の防衛は非常に甘い。
明確な登山道はない。西小俣集落から尾根伝いに入る獣道が佐伯氏伝授の道だが、かなり迷いやすい。発電所関連の水管沿いに道があるようだが荒れているようで未確認。熊の新しい糞も見つけたし、訪城にはくれぐれもご注意を。(撮影2022年11月)
文珠寺城位置

文珠寺城 城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)

西小俣集落での突入部分

畑の中の道を失礼いたします。

このあたりから脇に逸れまして……

尾根へ突入しました。

明確な道はありません、尾根沿いの獣道。
なかなかハードですし、迷いやすいです。

GPSのログを取っておけばよかったですが、大体こんな感じ。

北側の堀切部分(城郭図1)

竪堀(城郭図2)

竪堀の反対側は通路になっています。こちらへ誘導させる気満々。

正面で迎え撃つ櫓台(曲輪側から:城郭図3)

曲輪側から。右奥が櫓台。

主郭に向かいます。(城郭図Bの曲輪)
写真奥に土塁のような高まりがあります。(城郭図4)

わずかに堀切を入れているように見えます(城郭図5)

主郭北側を守る堀切に来ました。(城郭図6)

立派な堀切です。

文珠寺城主郭。削平されています。(城郭図A)

主郭西側の竪堀(城郭図7)

南を守る?土塁(城郭図8)

さらに小型の土塁(城郭図9)

城域南の竪堀(城郭図11)。
竪堀には櫓台のような高まりがあります。

西側の竪堀。(城郭図12)
明確な遮断にはなっていません。