富山県富山市婦中町長沢(旧:婦中町:地図)
応安3年(1370)に桃井直和が長沢で斯波義将と戦い討死した。その時に桃井氏が築いたのではないかとも伝わる。また寺島牛助が在城したとも伝わるが詳細は不明。『婦中町史』では、富崎城を攻めた時の陣城ではないかと推測している。
最高所の櫓台は狼煙台と伝えられ、中腹に巨大な削平地を持つ一風変わった城跡。通路に折れを持たせ、内枡形虎口など堅固な守りで見所の多い城で、まるで城そのものが巨大な虎口のような縄張りだ。
内部を石で組んだ井戸が残っており、ここは寺院施設だったのではないかという説もあるが、物証はない。
婦中自然公園のしょうぶ園にトイレ付きの駐車場があるので、そこから歩いていくと案内板もあり行きやすい。
(撮影2009年12月・2024年5月)
長沢城 位置
長沢西城への山道入口にある案内板
(Googlemapビュー)
長沢城 城郭図(『婦中町史』より引用)
曲輪表記が現地案内板と違ってて済みません。
案内板から城に至る山道の西側が土塁状になっている部分がある
(Googlemapビュー)
E郭へ上がる前、堀切を設けています(城郭図2)
郭E部分。北側の防御は手薄。
(Googlemapビュー)
郭D部分を西側から見る。東西に細長い。
これが狼煙台。城内では一番高い場所にある(城郭図C:標高130m)
(Googlemap ビュー)
武者隠しの案内板(城郭図4)。
自然地形で、何か特徴がある訳でもなさそう。
武者隠しから東側下を眺める。下りてみましょう。
大手口が見えてきます。立派な内枡形虎口です。
城の大手口を北側(城側)から見ています。
(Googlemapビュー)
虎口を南側(城外側)から見ます。
両側が高く、堅固な守りとなっています。
虎口に向かう登山道は折れ曲がり、櫓台から横矢を掛けています。(城郭図5)
折れ通路を下から見ます。見事な防御。(城郭図5)
城郭図6の部分の土塁
城郭図7の竪堀。ここで通路を狭め屈折させています。
ひたすら続く横堀と土塁(城郭図8)
通路とも言えなくもないです。
城郭図9の切岸。
藪でよく分かりませんが、壁のように急で、強力な遮断線となっています。
城郭図10の堀切。実に立派な堀切です。
大手口を入った空間。(城郭図B)
(Googlemapビュー)
A郭とB郭分ける土塁。高さ3メートルを超える大きなもの。
主郭となるA郭。相当広い空間です。
(Googlemapビュー)
主郭には古井戸跡があります。
井戸はかなり深く、内部は石積みされています。
A郭東区画の東側にある土塁
地形をうまく利用しています。
A郭東側の土塁上をB郭に向かって歩いていきましょう。
土塁上から主郭を見下ろす。広い空間です。