富崎城
富山県富山市婦中町富崎（旧：婦中町：地図）
神保氏の重要拠点として、度々戦乱の場となった城である。
元亀３年（1572）、神保氏旧臣の水越氏と加賀一向一揆が籠っていたが、上杉謙信によって攻められ焼き払われた。天正９年（1581）には神保氏旧臣の寺島牛之助・小嶋甚助が上杉方として在城していが、織田方に攻められ、寺島・小嶋は城に火を放ち撤退した。主郭からは焼米が出土したという。
北と西側は急峻な地形に守られているが、尾根筋となる東と南方向は切岸や横堀で守りを固めている。特に南側の横堀は折れを設けている。さらに城内の主郭を守る横堀を設け、土橋で馬出しと連携している。
丘の夢牧場に隣接してアクセスしやすい。ただ、牧場建設により破壊された遺構もあるであろう。（撮影2023年3月）
>>2009年撮影の富崎城写真集
>>富崎城紹介動画（youtube）
城跡脇に車を停めてから、ほとんど登ることなく見て回れる山城跡。
横矢掛けの虎口には是非入って欲しい。そしてその恐るべき防御を体感して欲しい。
内堀は浅く見えますが、西端へ行くほど深くなるので頑張って行ってみるべし。
富崎城 位置
富崎城 城郭図（『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用）
牧場建設が始まる前の古い地図
北側、山田川から見た富崎城
東側、銀納砦側から見た富崎城
直線的な切岸、そして虎口がよく分かります。
とにかく目を引く虎口（城郭図１）
虎口の切岸の高さはかなりのものです。
虎口を入っても正面行き止まり。左に折れています。
蜂の巣となる恐ろしき場所。
城郭図２の箇所。右に切岸。
土塁で通路を設定し、横矢掛けの逃げ場無し。
土塁
突き出しの土橋通路の虎口（城郭図３）
ここから城内へ
城郭図４の空間
北の切岸（城郭図５）
高さ３m程度あるでしょうか。
立派な切岸です。
虎口の奥に富崎城の案内板があります。
城内への土橋状の虎口。
手前で枡形になっているそうです。
虎口を入ると、B廓です。非常に広いです。
北の斜面は急。
しかし城郭図８には山田川へ降りるような曲輪があります。
主郭Aの切岸（城郭図９）
切岸の北端には、わずかな窪みがあります。
かつては横堀があったのでしょうか？
主郭Aに入りました。広い空間です。
城郭図Aには「神保城趾之城跡」という石柱があります。
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