下瀬砦（しもぜとりで）

富山県富山市婦中町下瀬（地図：googlemap）

『三州志』には「天正中謙信越中出旌の時、神保摩下の将此の土を修して富崎城の砦とすと云ふ」とあり、神保氏の武将が在城し富崎城の出城の役目を果たしたのであろう。別名を「釣瓶城」ともいい、城跡は「鐘突堂」「釣鐘ヤシキ」と呼ばれ、富崎城の鐘突堂などと合わせ連絡手段として鐘が使われたことをうかがわせる。
　砦は尾根筋を前後の堀切で断ち切った単郭の構造。三方は急斜面で守られ、弱点となる東側尾根の堀切は強力な遮断線となり見所だ。
丘の夢牧場の牛舎側から入れば高低差もなく楽なのだろうが、一般人は立ち入り禁止になっている。仕方ないので西側の道路から谷に入ったが道などあろうはずもない。尾根に取り付き直登したが、かなり急斜面なので気をつけられたし。（撮影2025年3月）

下瀬砦城郭図（『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用）

直下は土石採取場

道路から谷に入る山道があります。

谷の奥から尾根に取りつこうと思いましたが、
土砂崩れを起こしていて相当荒れています。

仕方がないので、左手斜面の小尾根を直登することにしました。
相当急です。注意しましょう。

登り切れば、虎口に辿り着きます（城郭図１）

写真左の虎口空間を、写真右の曲輪Bが監視しています。

城郭図Bの削平地。

眺めは良いです。山田川や付近の往来監視を行うにはいい場所です。

城郭図２の堀切

下瀬砦 主郭

主郭から見た、堀切２。

主郭の削平地

東側の尾根を完全に断ち切る巨大な堀切（城郭図３）

堀切は西側をかなり落としています。

堀切の東側は折れ曲げられています

３の堀切を東側から見る。

３の堀切を尾根側から。右側が主郭。
強力な遮断線ですね。
主郭の対岸を一段下げているのが、またすごい。

堀切を監視する櫓台（城郭図４）

城郭図５の切岸

尾根の奥は丘の夢牧場（城郭図６）