富山県富山市大山町小見(地図)
伝承は無い。おそらくは、飛騨の江馬氏が中地山城から更に奥地を求めて築いた城ではないかと推測される。
低いながらも塁線土塁を持つ複数の曲輪の存在と、攻め上がる敵を阻む長大で強力な切岸には驚かされる。しかし、城内に自然地形を多く残しているのは、縄張りの工夫の甘さと短期間の使用であったことをうかがわせる。
城跡のすぐ近くに水力発電所施設があり、そこまで乗用車で難なく登れる。意外にも訪問しやすい山城ではある。(撮影2025年4月)
論田山城 城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)
論田山城遠景
城の近くに発電所施設があり、ここまで乗用車で登れる。
発電所施設から尾根を登っていきましょう。
やがて行く手に、強力な切岸が現れます。(城郭図1)
城郭図1の部分で、浅く堀切を入れています。
城郭図2の窪み。谷を登ってくる敵を誘導する虎口か。
切岸が立ちはだかります(城郭図3)
城郭図3の土橋部分。城への侵入路です。
しかし、両側から、切岸上部より横矢が掛かります。
立派な切岸が続きます(城郭図4)
人物との高さ比較。高いし、登れない。
切岸の手前でわずかに堀切を入れています(城郭図5)
城郭図6の張り出し部分。通路として利用されたか?
城郭図7の切岸
城郭図8。切岸の端で通路を設けています。
いわば裏口として、城兵用の通路との考察あり。
城郭図9の武者走り。
切岸の上、ほぼすべてに設けられており、敵を狙ったのだろう。
城郭図Dの曲輪。
Dの曲輪は土塁で守られています。
曲輪Dの切岸に対する塁線土塁
城郭図10の堀切状遺構
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