富山県小矢部市内山(Googlemap)
越中・加賀国境上に存在する山城の一つ。古くは木曾義仲が陣を張ったと伝えられるが定かではない。
その後、室町幕府に抵抗する元越中守護桃井直常の軍勢が籠城した松根陣があり、15世紀には加賀一向一揆の城となった模様。
現在の遺構は、天正12年(1584)に、越中の佐々成政と加賀の前田利家が敵対した際、成政が大幅に改築したものであろう。松根城に対して、前田利家は切山城を築いて対抗した。前田軍の侵攻を食い止める為、松根城付近を通る小原道を完全に封鎖して、佐々家臣・杉山主計が守備していたというが、前田利家側の村井長頼によって攻め取られた。
織豊系城郭の特徴を色濃く残し、さすが佐々成政の城であることをうかがわせる。特に、切山城方面からの小原道を大堀切で完全に遮断しており、城内も計画的な導線を設けて求心的で堅固な守りを見せている。
公園化されて訪問しやすいが、その為に一部破壊も受けている。しかも主要曲輪の周囲は笹薮化しているのが難点。主郭に立てば、加賀、越中方面共に見通しが良く、国境を守るには最適の地であろう。(撮影2015年03月)
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松根城城郭図(『富山県中世城館遺跡総合調査報告書』より引用)
こちらは国道359号線、富山県側の登城口。
スノーゲートの入口に看板がありますが、少々悪路。
石川県側から城に向かった方がいいです。
(やがて舗装工事が行われる予定)
国道359号線、石川県側の分岐点。
案内板が出ているので、迷う事はないでしょう。
まず西側尾根に堀切が存在します(城郭図1)
切山城方面の最初の防衛線です(城郭図1)
そして松根城の最大の見所、大堀切です(城郭図2)
上幅30mの巨大堀切に圧倒されます。
大堀切内部は平成24年に発掘調査が行われています。
現在の13mより更に深く、約16mほどの深さを持ち、
堀底には二本の土塁と空堀を設けて守りを固めていました。
小原道を完全に遮断した構造でした(Google mapビュー)
大堀切の北側。とにかくでかいです。
大堀切の北側では更に竪堀を落としています。
さて、小原道を大手口に入っていきましょう。
写真左側の城域から道は常に横矢を受けています。
ここが小原道からの大手口(城郭図3)
門が存在したことでしょう(Googlemap ビュー)
小原道は当時の面影を残しています
城郭図3から南方向へ折れ曲がる道が旧小原道でしょうか。
そうなると自動車道は相当城を破壊していることになりますが。
小原道の松根峠
峠を守る堀切です(城郭図4)